● day 2
夕立や夜間の雨は覚悟の上ではあったが、雨粒一つ降ることもなく、風は穏やかで睡眠を邪魔せずストレスなしの夜だった。
テントは全開にし朝日を受け樹々の柔らかい揺らぎを見ながら朝食。気温は14℃。下界では有り得ない最高の気温。
今日は4時間行って戻ってくる(休憩除く)。8時間がプラスマイナス余裕を見ても丁度よい時間だろう。だから慌てることは何一つない。食べ終わったら歩くだけ。
テントや寝袋等は置きっぱなので荷が軽い。足取りは軽快。
朽ちた樹木、苔むした倒木、鳥と虫の音しか聞こえない静けさ。
後続者はすべて先行させる。
急ぐ理由がない。
樹木の配置、景観を目に焼き付ける。
CT4時間というと、みどり池の分岐を中山峠に方面に進み、稜線に出たらニュウへ向かい折り返す。
ニュウが目的ではない。4時間の折り返し時間がそこなだけ。
ちょっとした好奇心。おまけの新規開拓みたいなもの。
みどり池分岐から中山峠間。
まさに自分好みの景観。
一言でいうと「濃厚」。
樹木の間を縫っていく歩くイメージ。
苔も倒木、朽ちた感じも深みがある。
ダケカンバの密林のようなところもあった。
一面ダケで幹がみんな真っ赤に剥けて一面赤に見える。
鮮やかな葉の緑との調和も素晴らしく、圧倒的な立ち姿に見入った。
道は徐々に急坂になる。八ヶ岳の絶壁が樹々の隙間から見え、中山峠直下に来たのだと分かった。
直下の上りに差し掛かると樹林帯から抜け出て樹木のジュータンが眼下に広がった。
鎖を掴んで一気に登ると中山峠の看板が目の前に現れる。あたりは休憩している人、写真を撮る人でにぎわっていた。
樹林帯の奥の方から賑やかな声がする。黒百合ヒュッテは近いことが分かる。寄れたら帰りに寄ろう。
右手に小海町・南牧村方面を時折眼下に見ながら痩せた樹々と岩場の道をゆるりと行く。
時間的にニュウへの分岐が現れないなぁと何となく感じつつダラダラゆっくり歩いているせいかなぁなんて思っていたら中山の展望台へ来てしまった。
樹々の中から青空へ抜け出る感じは爽快感があっていいものだ。
ただ抜け出てしまうと物足りないものだ。
遠目に縞枯れ現象が見られる。
年賀状の写真案としてポーズを決めて写真を1枚。
早々に引き返す。
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中山峠
黒百合ヒュッテ側から撮影 |
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見晴らし台 |
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中山展望台 |
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中山展望台 |
中山展望台を後にしニュウへの分岐を探しながら戻る。
しばらく歩くとしっかりと有りました。完全に見逃していました。
今からニュウを往復しても時間がタイトになるだけだし、特に行く目的もないので今回は行かず
黒百合ヒュッテを覗いて昼食にすることにした。
昼食はアルファ米。本沢を出発するときに水を入れて仕込んでおいた。飯のたびに調理器具を出したり仕舞ったりするのは煩わしいのでこれで十分。
山にしては綺麗すぎるトイレで用を足し、行動中の飲料を作って本沢へ戻ります。
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中山峠 |
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黒百合ヒュッテ |
本沢へフラフラと帰ります。
ここでアクシデント。カメラの電池がほぼ無くなりました。手持ちすべてほぼゼロ。
ここから写真が2枚だけになります。
鳥の鳴き声に耳を澄ましたり樹をまじまじ見ながら時間をたっぷり使って歩きます。
途中今日もしらびそ小屋に寄ります。
餌付けしている野鳥や池を見ながらラーメンを頂き、食後に女将さんとおしゃべりしてしらびそ小屋を後にします。
テントに戻って道具の片づけと夕食の準備をして軽く昼寝。
日が暮れる前にまた野天風呂に行きました。
本日も貸切なり。
贅沢すぎるなぁ。好天に貸切で2日間もなんて。明日は帰るのでゆっくりと満喫しました。
● day 3
3日目も清々しい朝。3日間滞在した本沢をあとに今日は帰途につきます。
入山したコースを戻ります。
しらびそ小屋を経由して稲子湯に下ります。
しらびそ小屋と中山峠の分岐までの道は3日間歩いた道。
感慨深いです。
3日間も同じところに長いこといると下山はあっという間です。
下るにつれて気温は上がるし汗はすごいかくし、今すぐ引き返したくなるし。
自分にとってはできすぎた入山となりました。
稲子湯で風呂に入りエアコンで涼んで暑い本当の住処へ帰りました。